ハクちゃんの紹介
2016年10月地域のお祭りに家族で参加していた。
そろそろ帰ろうかとお祭り会場を後に歩いていると
メイン道路側道の植え込みに人だかりがあり騒いでいる様子だった。
興味本位で覗いてみると生後3ヶ月くらいの白猫が見えた。
植え込みの木の中で丸まり威嚇していた。
沢山の人間に怖がっているのか動けないでいた。
とにかく助けたいと考えたが、不用意に手を出して突発的に飛び出してしまうと最悪、
メイン車道に飛び出してしまい…容易に想像できた。
相変わらず、人々はのぞき込むだけだった。
お祭りで買ったガンスを持っているのを思い出し小さくちぎりおびき出そうと考えた。
案の定、ガンスには、反応せず、手に攻撃をくわえてきた。
想定内。
とりあえず、白猫の足元に置くことが出来た。
そうして、何かけらか置いていくと空腹だったのか匂いを嗅ぐと口に運んだ。
口に合ったのか足元の小さなガンスを食べ始めた。
人々も安心した様子だった。
しかし、白猫がこのままここで過ごすのはよくないことはこの場にいた人々は容易にわかっていると思ったが、
私の希望する行動には動く気配はなかった。
ならば早いほうがいい。
無駄に時間を過ごすのも意味がないので意を決して、右手で白猫の首を掴み引きずり出した。
びっくりしたのか抵抗することはなく後足を丸め子猫らしい姿を現し私は両手で確実に捕まえた。
よし!
捕まえることが出来た安心感でホッとしたその瞬間、白猫はわたしの左親指付け根に食いついた。
みるみる赤い液体が出た来たが次に何をするかわからないと思い、
着ていたジャンパーの右腕を抜き負傷した左腕と一緒に白猫を包み行動を制限した。
白猫は、動けなくなったことで観念したのか、落ち着いたのを確認して家路に急いだ。
帰る道すがらズキンズキンと重苦しい痛みを感じたが左腕の中の白猫の体温を感じてうれしかった。
家につきゲージの中に出してやった。
白猫だと思っていたが、野良だよね灰色で私を食いついて出てきたであろう赤い液体が至る所についていた。
知らないところに連れてこられ、知らない匂いに見たことない奴らがいるのでゲージの隅っこに固まっている。
とりあえず元気そうなので安心した。
私の左手はひどく赤く腫れあがっていた。
次の日、元気に「シャーシャー」言っていたような。
ご飯はしっかり食べてくれていたのでそのうち先住猫達と仲良くなれると確信していた。
白猫では呼びにくいので白をハクと読み「ハク」と命名。
我家に来て3日過ぎる頃にはちょっと触らしてもらえるようになったのでタオルで体を拭いてあげて灰色から白色に。
そして、赤い模様も綺麗にして薄緑色の目にまっすぐ伸びた長いシッポが綺麗な白猫が現れた。
いつものようにノミ駆除と虫下しと健康診断を兼ねてハクちゃんを動物病院へ。
病院に行くときには洗濯ネットに入れてキャリーにIN。
え、ええええ?おかしくない?おかしい!ハクちゃんを抱えた時に違和感が。
背中から腰にかけて皮膚と骨の間に空気が入っているようなスポンジのような感触。
「なんじゃやぁこりゃぁ‼」動物病院の先生に相談すると「何か強い外傷があったんだろう。
車に撥ねられたとか?
この症状自体は時間が経てばおさまるとは思いますが、
詳しく検査してみないとわかりません。」
とのこと。
検査をする間もなく直ぐに異変に気が付いた。
我家に来てから一度もウ〇チが出ていないのだ。
トイレに行って踏ん張ってはいるしそんなことある?どこか隠れてしてるに違いないと思っていたが、
動物病院でレントゲンを撮っていただいた結果、お腹でウ〇チが渋滞していた。
そして、骨盤の骨が折れていたようだ。
怪我をしてから時間も経っていたのか骨が変形しそのせいで骨盤が狭まり、また神経を圧迫したのか腸の反応が鈍い。
その日は浣腸をしていただき何とか出し切ることが出来た。
まだ若いハクちゃんはご飯をモリモリ食べてくれる。
ということは、ウ〇チが製造される。
しかし、ご飯をあげない訳にはいかない。
病院の先生に相談の結果、ロイヤルカナンの治療食を教えていただきハクちゃんだけではなくみんな同じご飯となった。
ハクちゃんだけ特別ご飯なんてできないからね。
ご飯を変えてしばらくは何とか自力で頑張ることは出来たが、
やはりウ〇チは停滞していき1週間に2~3回浣腸しに行くようになった。
動物病院も毎日24時間空いているわけではない。
私もいつも病院に連れて行ってあげれる体調は約束できない。
ハクちゃんの一生がこのままではよくないと思う。
体力のある若いうちに骨盤の手術をすることを決めた。
いつもお世話になっている動物病院ではなく、外科手術が専門の動物病院を紹介していただいた。
1週間入院しただろうか。
迎えに行くとエリザベスをつけお尻の毛を剃られたハクちゃんが恨めしそうに睨んできた。
安心した。
命にかかわる手術ではないが何が起こるかわからないので不安ではあった。
顔を見て安心した。
しかし、骨盤を広げる手術をしているのでうまく歩けなかった。
術後はリハビリを頑張りびっこをひきながら歩くことが出来るようになった。
ウ〇チも出るようになり安堵した。
人間でも骨を触る手術は痛いし、違和感あるだろうしよく頑張ってくれたと本当に嬉しかった。
手術を受けてくれた先生に感謝した。
手術後2年たったくらいだろうか。
まただ。
ウ〇チが出なくなった。
お腹が硬くなり触るとゴリゴリと塊があるのがわかった。
手術していただいた先生に相談するともう一度手術して骨盤を強制することになった。
情けなかったな。
人間なら文句の一つも言えただろう。
今も完全に自力でウ〇チは出来ない。
1週間に1回動物病院に行って浣腸をしていただく。
病院に行くときは洗濯ネットを用意しポーチにお金を入れ肩にかけ、
ハクちゃんに気配を察せられないうちに捕まえ素早く洗濯ネットを被せファスナーを閉める。
動物病院に着くと観念し、診察台にあがり先生の手が伸びると気持ちが悪いからそりゃあ機嫌が悪くなり怒る怒る。
私は怪我予防のために革の手袋を装着しているのだが、ハクちゃんの爪が食い込んでくるのがわかるくらい暴れる。
たまに腕を噛まれる。
しかし、体内で硬くなったウ〇チは石のように硬くなり肛門出口で蓋をしてしまう。
腸の動きも悪くなっているし、踏ん張る力もないから、もうこの方法しかないのか…
浣腸が終わり岐路に着くとき家が見えているわけではないのに後、5mくらいになると洗濯ネットから出してくれと暴れ始める。
家に入り洗濯ネットのファスナーを開けてあげると、急いで出るわけでもなく優雅に背伸びをしながら部屋に入っていく。
先程までの殺気を帯びた形相はなんだったのだろうかと思うくらいに、
オスカー女優顔負けのオーラを纏っている姿にはいつもあっけにとられてしまう。
ハクちゃんには他の猫たちよりお金もだが、時間もかなり費やしている。
これからも。
冗談抜きで大変だが家族になる縁だったんだと思う。
ハクちゃんとは覚悟がないと暮らせない。
毎日、毎日トイレにハクちゃんのウ〇チを探し、お腹を触りモミモミと嫌なことをして。
最悪な奴だよ私は。
でもね、長く白いシッポを真っすぐ立てお尻を足にすり寄せ、アイコンタクトを取ってくれるんだよハクちゃんは。
嫌なことばかりしてごめんね。
でもこれからも一緒にいてほしいからハクちゃん一緒に頑張ろうね。
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エリザベスハク
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