2014年4月我家にやってきた。
姫ちゃんと虎君。
出会いは、ホームセンターの一角にあったペットコーナー。
犬や猫、インコ、金魚....こんなところにペットコーナーがあるのに驚いた。
ペットショップだけじゃないんだ。
ペットショップは苦手。
そもそもホームセンターに来た理由は日用品の買い出し。
動物を見に来たわけではない。
しかし、見てしまうんだよね。
ゲージの中に生後2か月くらいの子猫が目に留まった。
無条件で可愛い。
この時、家にはラグドールのラグちゃんとチンチラのベルがいた。
子猫はラグドールだった。
妙に親近感が湧いてきた。
店員さんの勧めもあり抱っこさせていただいた。
抱っこしたらダメだよね~。
腕の中で、グルグルと喉を鳴らし始め毛づくろいを始めた。
連れて帰りたいが、野菜じゃないんだから一時的な気持ちでの決断はお互い可哀そうなことになる。
これから20年近く共に生活していく中で、家族、先住猫との相性であったり、病院のお世話になることもあるだろうし、いいことばかりじゃないだろう。
可愛い盛りも今だけ。
誰かご縁があればいい、それも早い時期に。
この大切な成長期に親から離され、狭い空間で社会性も身につけれないまま、いつまで生活しないといけないのか。
もし、ご縁がなかったらどうなるのか?
店員さんに聞いてみた。
「ブリーダーさんのもとに帰ります」
にわかに信じがたい返答だった。
この時の私のたちの様子を、隣のゲージの中の2ヶ月くらいのメインクーンの男の子がずっと興味ありそうに見ていたのを私は知っていた。
メインクーンといえば、家猫の中でも大型でジェントルジャイアントと言われている穏やかで賢い猫だ。
私は、頭の中でいやいや子猫2匹はしんどいでしょう...と。
しかし、同じくらいの月齢だとお互い遊び友だちになるかなと思い(自分の都合の良い解釈だよね)
いろいろ考え、家族と相談し迎え入れることにした。
ラグドールの女の子とメインクーンの男の子を我家に迎え入れた。
ラグドールの女の子を「姫」ちゃん
メインクーンの男の子を「虎」君と命名した。
私の思惑通り姫ちゃん&虎君はよく遊びいつも一緒だった。
姫ちゃんはおっとりしていて穏やかで、虎君は男の子だけあって元気いっぱいで走り回っていたかと思ったら姫に寄り添って寝てる。
ON、OFFがはっきりしていた。
我家にきて一年くらい経った初春頃、横になっていた姫ちゃんのおなかが大きく見えた。
あれれ?おっぱいがある??もしかして...いつ?
思い当たるふしは全くなかっただけに信じがたいが、お世話になっている動物病院へ受診してみた。
先生「あと、一週間くらいだね。4匹いるよ。」
私「全然そんな様子なかったんですが。そんなことありますか?」
本当にびっくりした。
猫の出産立ち合いの経験はなかったのでいろいろ調べ、クローゼットを整理し、段ボールハウスを用意し中にベットを用意しいつその時が来てもいいように準備。
それから間もなくクローゼットのベットの中で先生のお話通り姫ちゃんは可愛い子猫を出産した。
時間は午前5時頃だったと思う。
姫ちゃんが、泣いたりとかはなかったのだがか細い鳴き声が聞こえ目が覚めた。
気づいたときは、2匹目の出産が終わったところだった。
モゴモゴ茶色のネズミみたいのが動いていた。
しかし、姫ちゃんの足元に1匹目と思われる灰色の塊があるが動いていない。
触ってみると温もりは感じられなかった。
早く気づいてあげていたら...悔やまれる。
それから、3匹目、4匹目は無事に産まれてくれた。
姫ちゃんも元気だ。
新米ママさんとなり早速3匹のお世話をしてくれていた。
不思議よね。
誰も教えてないのに、経験もないのにお世話をして。
すごい。
感動して涙がでたな。
姫ママのお乳を飲むこともなく虹の橋を渡ってしまった子猫は庭にお墓を作ってあげた。
いつもいる部屋が見えるところに。
姫ママからも子猫からも見えるところに。
子猫たちに名前をつけた。
三毛柄は、チャチャ♀
キジ柄は、クロ♀
まだら柄は、チロ♀
姫ママは、毎日毎日24時間子猫たちの世話をしてくれた。
私は、おっぱいをあげるのに栄養不足にならないように姫ママのご飯には気を使った。
おかげで3匹はすくすくと育ってくれた。
可愛い綺麗な猫へと成長してくれていった。
我家初の出産。
子猫たちを嫁がせることを頭をよぎることもあったが、深く考えさせる暇などあたえさせないくらい姫ママと子猫たちの日々の成長はあっという間で、成長していく姿は感動を与えてくれた。
姫ママと子猫たちの健康状態は動物病院の先生から満点のお墨付きをいただいた。
どの子猫も誰にも渡したくなかった。
嫁がせたくはなかった。
毎日、何事もなく平穏に過ごしていた初秋。
仕事から帰宅しリビングの床に長く横たわった虎君の姿。
西日が虎君を包み込んでいた。
何か様子がおかしい。
舌が異様に長く口から出ている。
まだ温かい。
反応はないが、意識はあった。
直ぐ動物病院へ向かい診ていただいた。
心臓発作。
あっという間だった。
虹の橋を渡ってしまった。
まだ、2年も生きてないのに、大人にもなってない。
早すぎる。
「ママさんが帰ってくるのを待っててくれてたんですよ。」
先生の言葉に、「ありがとう」と「ごめん」がグルグル頭の中で絡み頭痛がして吐き気をもよおした。
虎君の茶色の長い毛並みがとても綺麗で、手を包み込むような毛質がとても好きだった。
そして、凛々しく整った漢らしい面構え。
もう、姫ちゃんと毛づくろいすることもないんだなぁ。と、思った。
姫ちゃんは、どう思っているのかはわからないが、きっと急に居なくなったことに不安に思っているに違いない。
虎君が生きていた証の子猫たち、大切に育てるからね。
安心してください。
虎君のこと忘れないよ。
虎君は、姫ママとの第一子の隣にお墓を作ってあげた。
いつもいる部屋が見えるところに。
姫ちゃんからも虎君が見えるところに。
毎日子育てに追われ、姫ママとなってからも穏やかでマイペースながらも肝っ玉母さんになった美魔女猫です。