初夏とはいえ暑い日が続いていたある日。
広島で1人暮らしをしている大学生の姪っ子からSOSの電話。
「大学の構内に子猫が4匹いる。どうしたらいい?」
「子猫?大きさは?けがは?」
などと話したような
「目が開いてない」
私「子猫しかいないの?お母さんきっと周りにいるよ」
しばらくして
「お母さんいた」「子猫1匹は息してない」
この暑い中、まともにお乳も出ないだろうし野良だから栄養状態も良くない。
「お母さん猫と子猫一緒に保護できる?」
私は姪っ子に問いかけた。
真意は、母乳で育てる方が子猫たちの心身の成長にいいし何といってもお母さん猫がお世話をしてくれるので人間の手を必要としない。
お乳もおトイレの世話、体調管理はお母さん猫がしてくれる。
何年か前に生後間もないの子猫を拾ったとき3時間おきにミルクを作り人肌にさまし、気管に入らないように気を付け哺乳瓶(飲み口が色々あるので気に入るのを見つけるのに苦労した)で飲ませ、しばらくしておトイレをさせる。
タオルにくるませ体温調節してやり、たまに死んでないか様子を見る。
なんてことを3ヶ月くらいしただろうか。
なんて大変なんだ。お母さん猫はすごいなと感心したものだ。
猫のお母さんも、人間のお母さんも大変。
間もなく「お母さん猫も捕まえた」
姪っ子から電話をもらったときは嬉しかったが、信じれない思いもあった。
野良で出産したばかりの母猫。
気がたっていてもおかしくない、すんなり人間の懐に入るだろうか?
よっぽどしんどかったのか。
よかった。
素直に言うことを聞いてくれたようだ。
間もなくして姪っ子が大きめの段ボールを抱えて我家にやってきた。
あれから、息をしていなかった子猫のお墓を作って来たと
さすが姪っ子!
中をのぞいてみると、お母さん猫→しっぽの長い三毛猫が見上げてきた。
若い、2歳くらいかな。
三毛猫は頑固?って誰か言ってた。
三毛猫のお腹に塊ががくっついていた。
塊に無理やり手を押し込むとフワフワの感触に体温を感じた。
ゴソゴソと動く。
3匹。
生きてる!
めちゃくちゃ可愛い♡
目は開いていない。
三毛猫♀と茶トラ♂と茶トラ♀
可愛いという言葉しか思いつかない。
いやいや、取り合えずお母さん猫の様子はというと
お疲れのようだが、落ち着いている。
子猫たちと一緒だからか威嚇はない。
お母さん猫に我家にあるカリカリと綺麗な水を置いてあげるとすぐに口に運んでくれた。
よう頑張ったね。
とりあえず安心してねと、これから幸せになるという思いを込めお母さん猫を幸子(さちこ)と命名。
日に日に3匹の子猫は成長していった。
環境にも順応して毎日が運動会
先住猫にもお構いなし。
そんなこんなで日は過ぎ子猫たちも1人でカリカリのご飯を食べれるようになり、幸子のお腹にくっついては3匹が固まって寝る日々は、みんなに幸せを与えてくれていた。
我家での生活も4ヶ月。
そろそろこれからのことを考えなくてはと思い始めたある日。
子猫たちの里親さんが動物病院のご縁ですんなり決まった。
誰でもよかったわけではなく、絶対に最後まで家族として大切に迎え入れてくれるお家にお願いしたかったので動物病院の先生にお世話になりました。
子ども達も巣立っていきさみしい様子もあった。
いきなりいなくなるのだからつらかったと思う。
ごめん。
子ども達がいなくなった今では、みんなと仲良く....なんてことはなく、人間には素直なのだが猫たちには厳しい。
絶対に群れないし、なれ合わない。
ご飯も、トイレもナデナデも
1人が一番心地いいみたいだ。
困ったもんだ。
頑固な幸子



