2016年秋リンちゃんはやってきた。
「ピンポーン」インターフォンがなった。
夕飯の準備をしている手を止めてカメラをのぞき込むと学校から帰ってきた子どもが映っていた。
どうした。
いつもインターフォンなんか鳴らさないのにどうしたのかと通話ボタンを押した。
私 「おかえり」
子ども「ただいま」
私 「どうした?」
子ども「ちょっと外出てきて」
私 「ご飯作ってるんだけど。今すぐ?」
子ども「見てほしいものがあるの」
なんだかなぁ...と、思いながら外に出ると子どもが学生カバンを抱えて立っていた。
子ども「捕まえた」
「前に話していたと思うんだけど、駅に今日いたからチーズケーキでおびよせたら 寄って来て捕まえちゃった」
そういえば、学校の近くの駅に野良が住み着いていてる話をしていたのを思い出した。
娘が抱きかかえている学生カバンの中を覗き込むと生後4ヵ月くらいのサビ柄の猫がいた。
野良で生きてきていたのだろう。
痩せてはいるが元気そうだ。
人慣れしている。
上手に生きてきたのだろう。
兄弟たちは手にかからなかったようだ。
子ども「病気はないと思うけど、病院で診てもらいたいんだ」
何か思うことがあるようなので病院に行くことに。
病院に行くときは洗濯ネットを用意しポーチにお金を入れ肩にかけ用意OK。
病院ではおとなしく落ち着いていて困らせることはなかった。
先生 「猫カビですね」
私&子ども「カビ?」
先生が耳先を指さされたところを見ると毛が剥げている。
ケンカして剥げたのかと思う感じ。
しかし、顔をよく見てみると至るとこが剥げていた。
先生 「他の猫にも移りますし、人間にもうつりますからしばらくは隔離してください」
「お薬(内服)出しておきます」
「あと、触られたらしっかり手洗いしてくださいね」
私&子ども「まじ?」
よかった。
家に迎え入れる前に病院に行ってよかったと思った。
全滅するところだった。
サビ柄ちゃんのために部屋を片付けゲージを用意した。
野良ちゃんのわりには落ち着いているので助かった。
猫カビの様子を見ているとこの子寄り目だということに気が付いた。
可愛い。
名無しちゃんじゃ可愛そうなので「リンちゃん」と、命名。
由来はない。
ご飯もしっかり食べてくれて10日くらいお薬を頑張った。
猫カビも広がる様子もないし剥げたところには、うっすら毛が生えてきていた。
もう少しかな。と、思っていたとこと子どもに猫カビが移っていた。
素人判断は危険だ。
もう一度、リンちゃんは動物病院へ。
子どもは皮膚科へ。
しっかり治療し動物病院の先生からもお墨付きをいただき最後リンちゃんはシャンプー。
これは、さすがに嫌だったようで、凄い声で鳴き暴れた。
結局、2ヶ月くらいかかったかな。
これで安心してみんなと同じ部屋へ。
そらからは大した病気もなく元気に過ごしてる。
リンちゃんは、よくしゃべる。
甘えんぼ。
ある程度成長してから迎え入れたので難しいかなと思っていたが、お膝にも乗せてとおねだりしてくるし。
本当に野良だったんかい?と、思ってしまう。
ただ、部屋の中だけは物足りないのか屋根出てお外に散歩に行ってしまう。
今まで歴代の猫たちは、屋根に出ても地面に降りることはなかった。
油断していた。
帰ってくるときは、木を伝い屋根に上がり出て行った部屋へ。
賢い。
唯一の悩みは、写真写りが悪いことかな。





